住宅の購入・売却

vol.3 住宅ローン控除のおさらい

住宅ローン控除は、住宅ローン残高の1%相当額が10年間、所得税から軽減されるというもの。控除対象となる残高の上限は4000万円(長期優良住宅などは5000万円)で、控除額は最大400万円(同500万円)が基本です。

10%に消費税が上がった今、消費税10%で物件を購入し2020年内に入居する場合、控除期間が3年間拡充されます。拡充後の3年間で最大で建物購入価格(上限4000万円)の2%が戻り、消費増税分の負担が軽減される仕組みです。

●消費税10%で購入すると、ローン控除期間が3年間長くなる

・1~10年目(従来制度のまま) 年末ローン残高の1%(最大40万円)
・11~13年目 ①年末ローン残高の1%(最大40万円)or ②建物購入価格 (税抜・最大 4000万円)の2%×1/3 のどちらか小さい額

所得税から控除しきれない額は住民税からも控除されます。例えば一般住宅の場合、住宅ローンの年末残高が2000万円なら、控除額は計算上20万円になります。その年の所得税が15万円の場合、差額が翌年の住民税から控除されます。住民税から控除することができる住宅ローン減税の控除額についても制度の拡充があり、所得税の課税総所得金額等の額の7%、上限13万6500円となっています。(さらにそれでも控除しきれない場合に配慮して、一定の条件を満たせば現金の給付が受けられる住まい給付金制度が創設されています。

●住宅ローン控除 利用条件

〇利用できる期限 2021年12月31日の入居まで
 ※2020年末までに入居の場合、上記拡充策が適用となる。

〇利用できる主な条件
 ①登記簿面積50平米以上
 ②控除を受ける年の合計所得が3000万円以下
 ③住宅ローンの返済期間が10年以上
 ④中古の場合は築年数、耐震基準など3つの条件のいずれかを満たすもの

〇必要な手続 入居の翌年の3月15日までに税務署で確定申告

●住まい給付金

住宅ローン減税は支払った税金が戻ってくる仕組みですので、収入が少なく、もともとの納税額が少なければ、制度拡大の恩恵を十分に受けることは難しいですよね。そこで、こうした収入層の方に対しても税負担の軽減を図るため創設されたのが「住まい給付金」です。

2021年12月までに引き渡され入居が完了した住宅に対して、一定の条件を満たせば、制度拡大後は申請により、最大50万円の住まい給付金が受けられます。住宅ローンの利用者だけではなく、現金で住宅を購入した人も対象で、住宅ローン減税との併用もできます。

ただし、消費税増税の影響緩和のための制度なので、個人間取引で消費税がかからない場合は対象外になります。給付額は給付基礎額に登記の持ち分割合をかけて求めます。給付基礎額は収入や家族の状況、適用される消費税率によって変わります。

  • 長期優良住宅の特例

購入した住宅が一定の条件を満たした「長期優良住宅」に認定された場合、控除対象となる住宅ローンの限度額が一般住宅より1000万円上乗せされます。

これにより、2021年12月末までに長期優良住宅に入居すると、年末の住宅ローン残高5,000万円までが対象となり、控除額は10年間で最大500万円まで拡大します。

住宅が長期優良住宅と認定されるためには、耐久性や耐震性、住居の面積、バリアフリー性、省エネルギー性のほか、ライフスタイルに応じて間取りが変更できること、居住地域の景観に配慮されていること等の細かな規定をクリアしなければなりません。

認定を受けるにはまず認定申請を行い、認定後に着工します。申請は建築主から行うことになっていますが、手続きが複雑なので、実際には工務店やハウスメーカー経由で申請することが多いです。注文住宅を建てる際は、ぜひ検討してみてください。

 

  • 低炭素住宅の特例

高い断熱性を持つ外壁、窓などや太陽光発電設備、給湯設備を備えた住宅などの認定炭素住宅は、長期優良住宅を購入した場合と同様、住宅ローン控除の対象となる住宅ローン残高が1,000万円上乗せされます。これによって、2021年12月末までの入居なら、10年間で最大500万円の税金が戻ってきます。なお、この特例は長期優良住宅と併用できますが、控除額は最大500万円で変わりません。

 

 

☆豆知識:住宅取得資金の贈与税の非課税枠

住宅購入のために両親や祖父母から受ける贈与には、非課税枠があります。贈与を受けた年の1月1日時点での年齢が20歳以上、その年の合計所得金額が2,000万円以下等の条件はありますが、将来的に相続税の納付が気になるご家族にとっては便利な制度です。非課税枠は2020年3月までは2,500万円、2020年4月から2021年3月までは1,000万円、2021年4月から12月までなら700万円と段階的に縮小されますが、耐震性や省エネ性、バリアフリー性のいずれかで一定基準を満たす住宅であれば、各年度とも500万円が上乗せされます。

なお、原則として贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得する必要がありますのでご注意ください。